
保険解約前に押さえるポイント
生命保険や医療保険・がん保険など、世の中には保険に加入している人が数多くいます。保障内容や保険料水準も医療技術の進歩や保険会社の競争によって年々変化してきています。新しく登場した保険の保障内容は従前と較べて充実したものが多く、乗り換えを検討する人も少なからずおります。新しい保険に乗り換えるということは、既存の保険を解約して新しい保険に加入するということです。一旦保険を解約すると元に戻すことはできません。 安易に解約してしまって取り返しのつかなくなってしまうケースもあります。 そこで、今回は解約する際に気をつけるべき点をご紹介したいと思います。
<既存の契約を解約すると元の契約に戻すことはできません>
生命保険等は性質上、一度解約してしまうと元に戻すことはできません。 生命保険料の仕組みは、加入時の年齢やその時点における保障内容に基づいて決まっているからです。 そのため一定期間を経て解約した後、やはり加入時に遡って元に戻したいと思っても同じ保障内容・保険料で加入し直すことはできません。 解約する際は既存の保障に戻すことができないことを前提に新たな契約を検討するようにしましょう。
<新しい保険に乗り換える際は空白の期間が生じる場合があることに注意しましょう。>
既存の保険は解約した日付と同時に保障が消滅します。 生命保険等は保障を開始する日(責任開始日)が決まっています。 契約したからといって、すぐに保障が開始されるとは限りません。 そのため新しい保険に乗り換える際に既存の保険を先に解約してから加入すると、保障がない空白の期間ができてしまうことがあります。特にがん保険の場合は、待機期間(免責期間)90日が設けられているものが多いので既存契約の解約はそのことを考慮して行う必要があります。 この空白の期間に病気やケガをしてしまった場合は保険金が支払われませんので、新しい保険の保障期間が始まることを確認してから既存の保険を解約することが肝腎です。
<解約返戻金について確認する>
保険を解約する際は解約返戻金が発生する場合があります。 解約返戻金は契約している保険の種類によって相当の額が戻ってくるものもあれば少ししか戻ってこないものや全く戻ってこないものまであります。 契約時に解約返戻金について説明があると思いますので、解約する際に解約返戻金の多寡についても確認するようにしましょう。 契約内容や払込期間によっては、思っていたより少ない金額しか戻ってこない場合もあります。 ですから、必ず解約返戻金について問い合わせて確認するようにしてください。 場合によっては「既存契約を生かしつつ見直しを行った方が良かった」なんてことにもなりかねません。要注意です。
<過去に請求漏れがないかを確認をする>
医療保険の場合は解約時に請求漏れがないか確認することが大切です。 死亡保障の場合は保険金の支払いと同時に契約も終了するので、請求漏れが起こることはまずありません。 しかし、医療保険の場合は請求をしなければ給付金は支払われません。 そのため何らかの理由で請求漏れを起こしていることがあります。 給付金請求の時効は3年です。 解約時には、それまでにケガ、病気で入院等をしていないか、請求漏れがないかをチェックする必要があります。
<まとめ>
既存の保険を解約して新しい保険に乗り換える際には、次の4点はしっかり念頭に置いて検討することをおすすめします。
・保険は解約すると元に戻すことはできない。
・乗り換える際は保障が適用されない空白期間に留意する。(特にがん保険は注意する)
・解約返戻金がどのくらい発生しているか解約前に確認をする。
・医療保険は過去に請求漏れがないことを確認する。
解約したことによって不利益を被ることがないように慎重に考えてください。 もし不安やわからないことがある時は、保険会社や専門家に相談してみましょう。