
共済と保険について
生命保険を検討する際に、よく比較されるものに共済があります。しかし、共済とはどのようなものか、内容がわからない方は多いようです。そこで今回は、保険と共済に違いや加入する際のポイントなどを、見ていきたいと思います。
共済とは
共済とは、「互いに助け合う」、「お互いにお金を出し合って何かをする」といった言葉の意味を持つ言葉で、複数の人がお金を出し合い、「死亡・病気といった万が一の事態」に見舞われた際に支える仕組みのことを言います。この相互扶助の仕組み自体は保険と同じものです。 共済の「県民共済」、「国民共済」、「JA共済」、「CO・OP(コープ)共済」は4大共済と呼ばれており、加入者も多く全国的に展開されています。
共済と保険の違い
共済も保険も、相互扶助をもとに多くの人からお金を集めて、万が一の事態が起こった人に対して保障を提供する仕組みは同じものです。ですが、共済と保険にはいくつか違いがあります。まず大きな違いとしては、保険が不特定多数の人が加入できるのに対して、共済は特定地域に住む人や農協・生協・漁協など、特定の職業や組合に所属している人のみが加入できるという違いがあります。ただし、加入したい共済の組合員の要件を満たしていれば、誰でも加入することができます。 2つ目の違いとしては、監督官庁が違うということが挙げられます。保険の管轄は金融庁が担当しており、共済は厚生労働省や農林水産省など共済運営団体により、管轄する庁は異なります。そのため、実施するためにあたって関係する法律が異なります。 それ以外の違う点としましては、保険は営利事業に対して、共済は非営利事業になります。共済は組合員が自ら運営し、組合員に最大の奉仕をすることを目的として事業を行っているので、非営利事業にあたります。保険は相互扶助のもとでお金を集めていますが、集めたお金を運用し株主や社員への配当を目的とするものでもありますので、営利事業にあたります。
加入検討のポイントは柔軟に活用する視点
共済へ加入するメリットとしましては、手頃な掛け金で充実した保障を受けられるところが大きなポイントだと思います。月々の掛け金が1000円〜5000円程度で、死亡・高度障害保障と医療保障がセットになっているものが多くあり、手頃に広く保障をできるものです。ただその反面、保障額は保険に比べると少額になる傾向があります。対して保険は、共済より保険料が高くなる傾向がありますが、広く深く保障をすることも、狭く深くすることもできます。ですから、保険と共済を比較して加入を検討する際は、どちらが良いかで1つに絞るのではなく、「老後の備えと死亡保障を終身保険で手厚く作りつつ、医療保障を共済で広く補う」など、お互いの良いところを組み合わせて活用することも考えてみると良いかと思います。